1998年8月22日 土曜日



今日は赤ちゃんの退院検診の日。問題なければ明日退院の予定だったのだが。 朝9時過ぎに美香から電話。退院検診で医者から、ちょっと黄疸の数値が高く、それで退院を一日延ばして、その治療を行う、と言われたようだ。
よく本など読んでいると赤ちゃんは黄疸が出る、と書いてあるが、その数値が0.5程標準より高いらしい。光を当てて治療するらしいが、そんなんで治るのだろうか。美香から聞いたときは「あっそう」て感じで全然気にしなかったんだが、美香はけっこう深刻に受けとめている。医者に言われたときもすっげー不安な顔をして、先生を慌てさせたらしい。医者もあわてて「全然大丈夫ですから」とフォローをいれたようだ。
治療は午後から始めるとのことで、今日はうちの両親が見に来ることになってたんで、治療している間にあえるのか、確認してもらったところガラスごしなら大丈夫とのこと。

それからも何度か美香から電話。そーとー不安がっている。昨日も感じたが、もう赤ちゃんしか目に入ってなくて、まわりが全然みえていない。赤ちゃんに関しては客観的な判断ができない状態。笑えるのは今日3時から沐浴指導というのがあって、その沐浴のモデルにうちの赤ちゃんがなる予定だったのだが、それが治療でキャンセルになったのがちょっと残念らしい。親バカ。

2時過ぎに両親が豊田から到着。お約束どうりビデオカメラ持参。3時に愛育病院へ。途中有栖川公園を通ったのだが、妙に気に入る。生息している鳥の看板を見て実家の裏の山にいる鳥と同じだ、と喜んでいる。
愛育病院につくと、美香が3Fの受付で待っていた。赤ちゃんは4Fの新生児集中治療室にいるとのこと。ちゃんと消毒とか、消毒された服を着ないと入れないらしい。ガラス越しにあうので込んでいるとみれないので、しばらく美香の病室で待って、その後4Fへ。集中治療室には、けっこう多く赤ちゃんがいた。多くは低体重児が入っているようだ。確かに3Fにいる子よりも小さい感じ。美香は黄疸ぐらいでパニックになっているから、もし最初からここに入っていたらどうなったことやら。 看護婦さんが近くに連れてきてくれて、ガラス越しにご対面。黄疸の治療で光をあてる、ときいていたので上から照らすのかと思っていたが、下から照らされていた。それも色がネオンなブルーといった色で、ちょっと怪しい。これで治るのか不思議。
両親は大喜びで口は誰に、目は誰に似てる、と勝手なことを言っている。黄疸との話だから、注意してみてみると、確かに黄色っぽい気はする。
途中で赤ちゃんが泣きだしたので、美香は授乳に。赤ちゃんはおしゃぶりでとりあえず、ごまかされる。しばらく泣き止むから不思議。おしゃぶりを手で押さえていることを、うちの母親はいたく感動していた。
美香が現れ、授乳の前におむつをかえる。やはりまだぎこちない感じ。授乳にしばらく時間が かかる。その間に先生から治療の説明を受けたようだ。様子を見るので退院はやはり月曜になる、とのことで、うちの両親は明日の退院にあわせて今日は泊まるつもりで来ていたが、今日は帰ることに。

両親を見送り、6時半過ぎに再び愛育病院へ。病室にいくと美香がいない。授乳かなとも思ったが、荷物もない。看護ステーションで看護婦さんに訪ねると、 「先程様子をうかがうと泣いていらして、どうも他の方が母子同室なのがつらかったようで、4Fの部屋を移しました。そちらのほうが赤ちゃんに近いですしね」とのこと。4Fの方にいってみるとまだしくしく泣いている。話をきくと、別に全然平気だったんだが、隣のベットの人の赤ちゃんが泣いたり、赤ちゃんに話し掛けたり、授乳をしてるのをきいて、それで耐えられなくなったらしい。最近ずっと母子同室にしてたので、今日治療で離れてしまって自分の子ももしかしたら今泣いてないか、とか考えたら涙が出てきたらしい。
で、ちょうどそこに看護婦さんがやってきて泣いているのを見て、きっとそういう母親が多いのだろう、何も聞かなくても看護婦さんにはわかるらしい。「ちょっと待って下さい」といって、2、3分で別の部屋を用意してくれて移してくれたそうだ。それに美香は今は治療中ということもあって呼ばれないかぎり治療室に行かないよう我慢していたらしいのだが、それも看護婦さんが、「会いたくなったら、いつでも治療室のほうに来てくれていいんですよ」といってくれたそうだ。
昨日も書いたが、こういうケアの良さが愛育病院の評判の高いとこなんだろう。

もっとも泣きながらも夕食はうまいといって食べていた。その後ちょうど授乳の時間になったので、治療室へ。私も入っていいとのことなんで、一緒に治療室へ。よくテレビでやってる手術前の医者がやるように手を洗ったり結構大変。近くで見てみると確かに黄色い。おむつを替え、授乳をする。もうさっき泣いてたことはわすれて、すっかり落ち着いている。今後大丈夫でしょうか、こんな子供一筋で。